その他治療法

オゾン水

医療の歴史は、細菌感染との戦いの歴史でもあります。細菌は常に私たちの身の回りに潜んでおり、私たちの体を蝕もうとしています。病院・歯科医院では日夜、細菌感染予防に務めております。当院では、最新の感染予防策として、「オゾン水」による院内・器具消毒を採用いたしました。

「オゾン水」とは、気体のオゾンを蒸留水に溶かし込んだもので、瞬間的に強力な殺菌力を発揮する、消毒液としては極めて有効な薬剤です。しかし、オゾンは速やかに分解して無害な酸素に変化するという短命な特徴を持っているため、ビンなどに入れて長期保存することができません。強力・即効性・無害という、すべてにおいて有効な特性があるにもかかわらず、保存できないという点で、なかなか医療機関では採用しにくい薬品でもあるのです。そこで当院では院内で特殊な機械を通して直接オゾン水を作るシステムを採用しました。そのため、作りたての一番強力な状態の「オゾン水」を院内すべての消毒に使用することが可能です。短命な薬品でもその場で作って使用すれば、強力な状態を保持したまま有効に使うことができるのです。

逆に短命な薬品であることのメリットとして「残留薬剤が無い」ということがあげられます。細菌を消毒する薬剤にはいろいろありますが、ほとんどの薬剤は、強力な殺菌力を発揮するものほど人体への影響が強くなるため、十分な消毒を行った後は少し時間を空けて、残留薬剤を飛ばす必要があります。逆に人体への影響の少ないものは殺菌力が弱いため、消毒時間そのものが長くなったり、細菌によっては残念ながらまったく効果のない場合もあったりします。しかし、「オゾン水」はオゾンそのものが短時間で分解し、全く無害な酸素に変わってしまうため、人体への影響が全くありません。強力に細菌を殺し、かつ環境・人体に全く悪影響を持たない「オゾン水」は、まさに次世代の消毒薬としてとして、食品・医療などの様々な分野で注目されています。


レーザー治療について

レーザー治療
当院は炭酸ガスレーザーを装備しており、症例に応じて使用しております。
難治性の口内炎や、抜歯した後の治癒促進、また、外科手術領域においては膿を持って腫れた歯茎の排膿処置、インプラントの2次手術などが適用になります。
以前はメスなどの刃物を使わなければならなかった処置が、出血や痛みのきわめて少ない方法でできるようになるため、患者さんへの負担がとても小さく、楽に治療が可能です。


位相差顕微鏡

口腔内には数多くの細菌が住み着いています。これらは常在菌と呼ばれ、どんなに清潔にしていてもすべての人間に必ず住み着いているものです。細菌とは言っても基本的に悪いことはあまりせず、人間と共存関係にある菌がほとんどです。しかし常在菌の中でも数種類、特に人体に悪影響を持った「悪玉菌」が存在します。そして、歯周病はこれら「悪玉菌」が歯肉に攻撃を加えてくることで起こる病気なのです。

つまり口の中の細菌のうち、「悪玉菌」が多いか少ないかがわかれば、その人の歯周病なりやすさがわかるわけですが、この細菌たちは透明なため、普通の顕微鏡では見ることはできません。染色すれば見えるようになるのですが、それは細菌を薬品で処理しなければならないため、時間がかかってしまいます。また、染色すると細菌は死んでしまうので、正確な生息状態がわからなくなってしまいます。

そこで当院では、患者さんの歯周病のリスクをなるべく正確にチェックするべく、「位相差顕微鏡による口腔チェック」を導入いたしました。位相差顕微鏡とは、光の屈折を利用し、透明な細菌を生きたまま見ることができる特殊な顕微鏡です。これによって、患者さんの口腔内に歯周病を起こす細菌が多いか少ないかがわかるようになりました。歯周病の原因菌が多い方に対しては、特殊な抗生物質などを使ってその細菌を退治し、その患者さんの歯周病リスクを減らすことができます。


漢方薬

歯を削る、歯にかぶせる、入れ歯を作るなど、物理的な治療の多い歯科の世界ですが、最近多くの漢方薬が歯科疾患において保険適用となりました。漢方薬というと内科のイメージがありますが、実は口腔疾患でも漢方薬の有効なものがいくつか存在します。当院では、日本の歯科界での漢方薬の第一人者である、大阪歯科大学の王宝禮教授のご指導の下、積極的に漢方治療を取り入れております。

歯科疾患で特に漢方薬が有効なものとしては

  • 口内炎
  • 舌痛症
  • 口腔乾燥症
  • 歯周病
  • 扁平苔癬

などがあります。これらの病気は歯科の病気な中でも慢性的なもので、西洋医学的な治療ではなかなか改善に結びつかないことがあります。しかし、そういう難治症例の時に漢方薬を使うことで、すべての症例ではないものの、大きく改善させることができる例が多々存在します。

漢方薬は処方が独特で、同じ病気でも体質によって薬が変わったりします。それ故に漢方処方にあまりなじみのない歯科では、正しい漢方処方は難しいのですが、当院では正しい漢方の知識を学んで処方しております。


笑気

笑気麻酔

歯の治療というものは大変なストレスです。自分では見えないところをいじられる不安。歯の神経は痛みしか感じ無いため、すべての刺激を痛いと感じてしまう恐怖。耳障りなあの歯を削る音。正直、歯科医師の自分ですら、いざ自分の歯を削るとなるといやだなと思うものです。ましてや幼少時に押さえつけられて治療を受けたような記憶がある方にとってはその場にいるだけで心が押しつぶされそうになるものと思います。そこで、当院では、治療の恐怖を少しでも緩和するため、ご希望の方には「笑気吸入」をすることができます。

「笑気」とは、吸入することで気分がリラックスし、緊張から解放されるガスです。体への負担もほとんどなく、吸入をやめるとすぐに覚醒するため、短時間の治療でも有効な薬剤です。歯の治療はどうしても緊張して大変だという方は、どうぞ遠慮なく申し付けください。